5時半から6時のあいだ

5時半から6時のあいだ
僕は夕陽の中を歩くだろう
そこには音楽があって
もしかすると
走らずにはいられないかもしれない
胸の中に投げ込んだ言葉がこだまする
10月の太陽はあっというまにビルの向こう側にしまわれてしまい
僕は何かを取り戻さなきゃいけないのに
でもそれが何だかわからない
早弾きされるアルペジオのように
一つ一つの言葉が井戸をこだまする
もし時間が実在するなら
もっと早送りしてくれればいい
ねえ、時間が実在するというなら
なんで30分がこんなに長い?
なんであの一時間はあんなに短かった?
5時半から6時のあいだ




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